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武野 宏之*; 上原 宏樹*; 村上 昌三*; 竹中 幹人*; 長澤 尚胤
no journal, ,
ガラス転移温度に大きな差のある相溶性高分子ブレンドとしてポリ2-クロロスチレン/ポリビニルメチルエーテルブレンドを用いて、一定速度で伸張したときの構造変化を時分割小角X線散乱法によって調べた。また、上記のブレンドに電子線を照射した試料を用いて、伸張下の構造変化による電子線照射効果を調べた。100kGy照射したブレンドを40Cで伸張したときの2次元X線散乱像では、伸張とともに伸張方向の散乱強度が上昇し、伸張と垂直方向の散乱に比べて平行方向の散乱強度が強くなるというバタフライパターン(異方的な散乱パターン)が観測された。特に、伸張による散乱強度増加の初期過程における濃度揺らぎの成長速度を解析すると、散乱角とX線波長から求められるに特定の領域で極大を持たせ、高分子混合溶液のスピノーダル分解の初期過程に類似していることがわかった。電子線照射による橋かけ構造導入は、濃度揺らぎの成長速度に対して、小さい領域に現れ、ブレンド材料の弾性効果に起因することがわかった。
増井 友美; 敷中 一洋*; Kwon, H.*; 小泉 智; 橋本 竹治; 岩瀬 裕希; 角五 彰*; Gong, J.*
no journal, ,
フィラメントアクチンは、球状タンパク質であるアクチン分子が直線上に会合した細長い棒状分子集合体である。アクチンは非筋肉細胞中に存在し、その運動をバンドル構造やネットワーク構造などの高次構造の形成と解体によって制御している。この制御機構については、生化学的な研究では、生体内のアクチン結合タンパク質の多様性に起因するとされていたため、塩濃度による構造制御についてはほとんど検討がなされてこなかった。本研究では、アクチン結合タンパク質の代わりにポリカチオンを用い、フィラメントアクチンとポリカチオンの複合体に及ぼす塩濃度の効果を中性子小角散乱法により検討した。中性子超小角散乱法では、生体内に近い高濃度かつ溶液条件での実験が可能であり、本研究では、塩濃度変化による複合体構造の変化をナノメートルスケールからサブマイクロスケールにわたる空間領域で観察を行った。その結果、生体内の塩濃度に近い領域で、塩濃度をわずかに変化させることによってバンドル構造を解体することを明らかにした。
Zhao, Y.; 宮元 展義*; 小泉 智; 橋本 竹治
no journal, ,
重水素化ベンゼンを重合溶媒、sec-ブチルリチウムを開始剤とし、ポリイソプレン-重水素化ポリスチレンブロック共重合体をリビングアニオン重合により重合する過程と重合によって誘起された自己集合体の実時間その場観察を中性子小角散乱法,核磁気共鳴(NMR)法,ゲル浸透クロマトグラフィー法,赤外・可視分光法の組合せにより行った。その結果、重合過程には3つの時間領域が存在することが明らかになった。領域1ではポリイソプレンブロック鎖のみが成長する。領域2ではポリスチレンセグメントが鎖の中に現れ、デーパー構造が観察された。領域3では、ポリスチレンブロック鎖が急速に成長し、重合によって誘起されたミクロ相分離構造が観察された。
元川 竜平; 小泉 智; 田中 文彦*; 古賀 毅*; Winnik, F.*
no journal, ,
ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)の両末端をオクタデシル基で疎水化したテレケリックPNIPAM(HM-PNIPAM)の水溶液は、温度変化に応答してフラワーミセルやメソグロビュールを形成する。そのため、この感熱性に起因した特徴的な構造及び物性の発現が期待されている。この水溶液は周囲の温度変化やポリマー濃度の変化に応答してゾル-ゲル転移等のさまざまな相変化を示すことが目視によって明らかにされているが、メソスケールにおける詳細な構造形成のメカニズムは明らかにされていない。そこで本研究では、中性子超小角・小角散乱法(USANS・SANS)を用いてHM-PNIPAM水溶液の微視的構造を観察し、その水溶液中での相形成の詳細やフラフーミセルやメソグロビュールのサイズ,数密度等を明らかにしたのでこの結果について報告する。
岩瀬 裕希; 小泉 智
no journal, ,
JRR-3において、集光型偏極中性子超小角散乱装置SANS-J-IIと二結晶型中性子超小角散乱装置PNOを併用して、赤血球の階層構造について研究を行った。赤血球及びその主な構成要素(ヘモグロビン,細胞膜,細胞骨格,糖衣,哺乳類以外では核)のサイズは、数ナノメートルから数マイクロメートルと広い空間スケールに渡る。SANS-J-IIとPNOを併用することで、これらの構造を万遍なく捉えることが可能となる。さらに各構成要素を選択的にその場観測するために溶媒コントラスト変化法を活用した。中性子超小角散乱法によるその場観察に加え、光学顕微鏡による観察も相補的に行った。測定の結果、赤血球の外径だけでなく、赤血球の細胞膜の厚み,核のサイズの定量に成功した。さらにヘモグロビン溶液の測定結果と比較したところ、赤血球内に存在するヘモグロビンを構成するポリペプチド間の相関の構造情報も捉えることに成功した。これらはSANS-J-IIとPNOの併用による広範囲な空間スケールの測定と、中性子散乱の特徴であるコントラスト変化法を組合せることで、初めて得られた成果であり、今回口頭発表を行う。
山口 大輔; 宮元 展義*; 小泉 智; 橋本 竹治; 中戸 晃之*; 眞山 博幸*; 辻井 薫*
no journal, ,
異なる2つの物質のシート状粒子が形成する階層構造を中性子超小角・小角散乱法を用いて概観することにより、その相違点・類似点を包括的に論じた。得られた以下の結果について、高分子学会において口頭発表を行う。研究対象の第1の系は層状ニオブ酸結晶であるKNbOを単位層(以下、これをナノシートと称する)に剥離し、水中に分散させた、ナノシートコロイドであり、これはナノシートが極めて大きな異方性を有するために液晶相が現れる。第2の系はワックスの一種であり、また超撥水表面を形成することでも知られているアルキルケテンダイマー(AKD)のリン片状結晶をテンプレートに用いて作製したシリカ多孔体である。これら2つの系において現れる階層構造はともに次のような特徴を有する。(1)近接する粒子間には(位置)の相関があり、その相関に起因した散乱極大が現れる。(2)さらに大きな空間スケールにおいては、散乱極大を与えるような構造は現れず、代わってフラクタル的な構造が現れる。
小泉 智; 近藤 哲男*; 富田 陽子*; 岩瀬 裕希; 山口 大輔; 橋本 竹治
no journal, ,
集光型中性子超小角散乱装置(SANS-J-II)を利用して酢酸菌が生成したバクテリアセルロース(BC)を水で膨潤したままでその場観察した。その結果、ナノメートルからマイクロメートルの空間スケールで、BCの非晶内部の水がマスフラクラルにしたがって分布することを確認した。これらの実験結果をもとに水の空間分布からBCを構成するミクロフィブリルの非晶構造を決定したので本発表で報告する。